2014年8月25日月曜日

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

高血圧や皮下脂肪が気になる方の便秘を解消


皮下脂肪とは


皮下脂肪…嫌な響きですね。皮下脂肪とは、どのような脂肪なのでしょうか。

まずお腹をさわって、おもむろに肉をつかんでみて下さい。
その手にあるもの、それが皮下脂肪です。

かなりの量の肉がつかめた場合は、皮下脂肪がたっぷりの体ということになります。

ウエストのボタンを閉めた瞬間に、お腹の肉が盛り上がってベルトなどの上にお肉が乗るのを見た時には、とても悲しい気分になります。


ついてしまうとなかなか落ちない皮下脂肪


皮下脂肪は落ちにくいとされています。それはなぜでしょうか。

人が脂肪をエネルギーとして燃焼する際には、はじめに内臓脂肪を利用して、その後ようやく皮下脂肪の順番が巡ってきます。

大抵のエネルギーの捻出は食事と内蔵脂肪でまかなえるので、皮下脂肪の出番も、それを減らす機会もなくなるのです。




皮下脂肪の落とし方


では皮下脂肪を減らすにはどうしたらよいのでしょうか。

一番大事なのは食事に気をつけることです。

脂肪は食事で摂取したカロリーが、エネルギーとして消費されないことで、たまるのです。
逆に言えば、利用するエネルギー以上のカロリーを摂取しなければ、脂肪は蓄積されないのです。

とはいえ、食べ物の誘惑には抗いがたい魅力があります。
摂取をコントロールできないのであれば、エネルギーをコントロールするしかありません。

つまり運動です。



皮下脂肪を落とす運動とは


おすすめなのは、自転車です。
自転車を思い切りこぐ時にはお腹に力が入ります。

平坦な道だとあまり力が入らないので、登り坂を走るのが良いでしょう。
ポイントは立ちこぎせずに、あくまでも座ったままこぐ事です。

皮下脂肪も内臓脂肪も合わせて筋肉に変えることができます。
エネルギーもかなり消費することから、全体的に脂肪を落とすことも期待されます。

ただし、この方法にはひとつ難点があります。
お腹の皮下脂肪と引き換えに、太ももに筋肉がついてしまうことです。

太ももはいいから、まずはお腹を何とかしたい!という方は試してみてください。



皮下脂肪も便秘も合わせて解消



便秘がひどくなるとお腹がぽっこり出てしまうことがあり、皮下脂肪が多い方の場合、悩みはさらに倍増します。

防風通聖散は皮下脂肪が気になる方の便秘解消に効果的な漢方薬です。



防風通聖散が向いている人


便秘がち
のぼせやすい
食欲旺盛
皮下脂肪が気になる
高血圧
脂症
運動不足



体力があり、のぼせやすい人向きの漢方薬です。(実証・熱証)




防風通聖散はこうした症状の場合に用いられます


肥満症、便秘、むくみ、にきび、のぼせ、動悸、肩こり、蓄膿症、湿疹、皮膚炎



防風通聖散の効能


停滞している水分を循環させて、熱を冷まします。
さらに血の巡りを良くして、腸の働きを活性化させ、体内にたまった毒素を排出します。

また、エネルギーとして体内に蓄積される「白色脂肪細胞」を分解し、エネルギー消費をする「褐色脂肪細胞」の働きを活性化する効果があるとされています。



防風通聖散の成分と成分別の作用


防風(ぼうふう)セリ科ボウフウの根、根茎
抗炎症作用、解熱、発汗、鎮痛、抗菌作用

黄芩(オウゴン)シソ科コガネバナの根
抗炎症作用、抗アレルギー、下痢や嘔吐を鎮める、止血、肝機能の活性化、フラボノイドを含む

大黄(ダイオウ)タデ科ダイオウ属などの根茎
瀉下薬(下剤)、解毒、止血、抗菌作用、緩下作用

石膏(セッコウ) 天然結晶の含水硫酸カルシウム
解熱、鎮静、消炎、止渇、清涼、利尿作用

麻黄(マオウ) マオウ科マオウまたは同属の茎
発汗、鎮咳、利尿作用、抗アレルギー、呼吸困難の改善、中枢興奮作用

芒硝(ボウショウ) 天然結晶の含水硫酸ナトリウム
消化促進、利尿作用、緩下、血液凝固抑制、塩類嚥下作用、固まったものを柔らかくする

蒼朮(ソウジュツ)キク科ホソバオケラの根茎 又は白朮(ビャクジュツ) 
水分代謝を正常に保ち、不要な水分を排出

荊芥(けいがい)シソ科イヌハッカ属ケイガイの花穂及び葉茎
鎮痛、消炎、抗炎症、発汗作用、止血

連翹(れんぎょう) モクセイ科レンギョウまたはシナレンギョウの果実
消炎、排膿作用、解毒、解熱、利尿、抗菌作用

桔梗(ききょう) キキョウ科キキョウの根 
排膿作用、去痰、咳止め、解熱

山梔子(サンシシ) クチナシの果実
解熱、止血、鎮静、黄疸を取り除く、血流の改善

芍薬(シャクヤク)シャクヤクの根 
筋肉のけいれんや痛みを抑える

当帰(トウキ) セリ科トウキ属の植物の根 
血液を補充し、血流を良くする

川芎(せんきゅう) セリ科センキュウの根茎
血流を良くする、血を補う、強壮、鎮静、鎮痛

薄荷(ハッカ)シソ科ハッカの葉
鎮静、清涼作用、発汗、健胃、抗けいれん

滑石(カッセキ) 天然の粘土鉱物。主成分は含水ケイ酸アルミニウム
利尿、水分代謝の調整、消炎、止渇、傷口の保護

生姜(ショウキョウ)ショウガの根茎 
胃腸を温める、嘔吐を鎮める、抗炎症作用

甘草(カンゾウ)マメ科カンゾウ属などの根や根茎 
鎮痛、解毒、咳止め、抗炎症作用、健胃消化



使用上の注意



  • 甘草が含まれているので、むくんだり血圧が上がってくる事があります。
  • 大黄が含まれている薬を併用する際は含有量に注意してください。
  • 妊婦または妊娠していると思われる方は服用前に医師に相談して下さい。
  • 薬の使用にあたり、医師と薬剤師からの説明や、薬に添付されている説明書を読み、理解した上で服用してください。
  • 他の薬との併用、アレルギー、症状や体質に合わないなどで、体に不快な変化があらわれた場合は、ただちに服用を止め、医師や専門家に相談して下さい。
  • 長期にわたり服用する際は、医師、薬剤師、登録販売者に相談して下さい。



防風通聖散の副作用


皮疹 (皮膚のかゆみ、発疹、発赤)
消化器 (吐き気、腹痛、胃部不快感、下痢)
泌尿器 排尿障害)
自律神経系 (動悸、不眠、発汗、頻脈、倦怠感、精神興奮

芍薬甘草湯などの甘草を含む漢方を飲む時は注意が必要です。
偽アルドステロン症を発症する場合があります。


※下記の症状が出た場合はただちに医師の診察を受けて下さい。



  • 偽アルドステロン症…筋肉痛、血圧上昇、低カリウム症、倦怠感、手足のこわばり
  • 肝機能障害…黄疸
  • 間質性肺炎…発熱、せき、呼吸困難、肺音の異常





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