2014年8月9日土曜日

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

気分が落ち込み、のどが詰まる感じがする。つわりや神経性胃炎にも


喉に何か詰まった感じがするので、念の為、検査を受けてみたけど異常はなかった。
こうした場合はストレスがひきおこしている症状かもしれません。

漢方医学では、「気」「血」「水」の巡りが悪くなると体調を崩し、イライラしたり落ち込んだり
といった、うつ病などの神経性の病を発症してしまうと考えられています。

また、ストレスなどで体内の気が停滞して、消化機能が衰えてくると、
喉から胸にかけて異物が詰まっているような違和感が起こります。

こうした症状を漢方医学では「梅核気(ばいかくき)」といいます。
梅の種が喉に詰まっているような感覚の症状という意味です。
西洋医学では「ヒステリー球」といって神経性の症状のひとつとして考えられています。

半夏厚朴湯はストレスからくる喉の違和感や神経性の症状を改善する漢方薬です。



半夏厚朴湯が向いている人


精神的に不安定
ストレスがたまっている
気分が落ち込む
神経過敏
食欲がない
頻尿


胃腸が弱っていて、心身ともに疲れやすい、体力中程度向きの漢方薬です。




半夏厚朴湯はこうした症状の場合に用いられます。


喉から胸にかけての異物感、喉がふさがる感じがする、息苦しい、頭痛、めまい、動悸、
食欲不振、嘔吐、つわり、声枯れ、むくみ、ぜんそく、うつ病、不安神経症、神経性胃炎、
神経性食道狭窄症、神経性咽頭症、更年期障害、パニック障害



半夏厚朴湯の効能


胃の中の余分な水を排出して消化機能を整え、嘔吐などを鎮めます。
緊張している筋肉を緩める事で、気の流れを体内に循環させ、
心身をリラックスした状態へと導きます。



半夏厚朴湯の成分と成分別の作用


半夏(ハンゲ) サトイモ科カラスビシャクの根茎
嘔吐を鎮める、吐き気を抑える、鎮静、鎮痰、胃腸を強くする、眼圧低下作用

厚朴(コウボク) モクレン科カラホウノキまたはホウノキの樹皮や根皮
胃腸を強くする、鎮痛、中枢抑制、抗菌、抗潰瘍、鎮静、筋弛緩、利尿

茯苓(ブクリョウ) サルノコシカケ科マツホド菌の菌核 
利尿、鎮痛、鎮静、血糖降下

蘇葉(ソヨウ)シソ科シソまたはチリメンジソの葉
 発汗、解熱、鎮咳、鎮痛、去痰、利尿、消化促進、解毒作用、気の巡りを良くする

生姜(ショウキョウ)ショウガの根茎 
胃腸を温める、嘔吐を鎮める、抗炎症作用、


相乗効果のあるもの

半夏+生姜 半夏の舌がしびれる喉が渇くといった副作用を生姜が緩和



使用上の注意


  • 妊婦または妊娠していると思われる方は服用前に医師に相談して下さい。
  • 薬の使用にあたり、医師と薬剤師からの説明や、薬に添付されている説明書を読み、理解した上で服用してください。
  • 他の薬との併用、アレルギー、症状や体質に合わないなどで、体に不快な変化があらわれた場合は、ただちに服用を止め、医師や専門家に相談して下さい。
  • 長期にわたり服用する際は、医師、薬剤師、登録販売者に相談して下さい。



半夏厚朴湯の副作用


  • 半夏には喉の渇き、舌のしびれなどの副作用があるので、服用量に注意して下さい。また、中毒症状があらわれた時には、砂糖漬けした生姜またはその汁を摂取して下さい。
  • 皮疹(皮膚のかゆみ、発疹、発赤)


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