2014年8月4日月曜日

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)


胃腸が弱く、疲れやすい。なかなか治らない風邪にも。



補中益気湯の名前にある「中」とは、お腹の事です。
漢方医学では、体を「上」「中」「下」の3つの部位に分けています。

胃腸の機能が低下するとエネルギー(気)が取り込みにくくなり、
気の低下、すなわち元気のない状態になり、疲れやすくなると考えられています。

日ごろ栄養ドリンクを手放せない方は、試してみてはいかがでしょうか。
また、なかなか治らない風邪にもおすすめの漢方薬です。



補中益気湯が向いている人



だるい、疲れやすい
気力がない
胃腸が弱っている
食べ物の味を感じにくい温かい食べ物が好き


元気がなく、食欲不振で疲れやすい人向きの漢方薬です。



補中益気湯はこうした症状の場合に用いられます。


疲労感、倦怠感、夏バテ、夏やせ、病後の体力増強、食欲不振、
長引く風邪、食後に眠くなる、寝汗、胃下垂、子宮下垂、腎下垂、
脱肛・痔、多汗症、慢性疲労症候群、勃起障害(ED)


補中益気湯の効能



この漢方薬は胃腸の働きを活発にしてエネルギー(気)の量を増加させて、
体力を補います。また、気が体の中に満ちて、体内を循環することによって、
慢性的な疲労や気力低下を改善します。


補中益気湯の成分と成分別の作用



人参(ニンジン) ウコギ科オタネニンジンの根
滋養強壮(主に消化器官)、抗炎症作用、肝機能改善作用、代謝を高める、免疫活性

蒼朮(ソウジュツ) キク科ホソバオケラの根茎または白朮(ビャクジュツ)キク科オオバナオケラの根茎
水分代謝を正常に保ち、不要な水分を排出、消化吸収を高める

黄耆(オウギ) マメ科キバナオウギまたは同属植物の根
滋養強壮(主に体表)、免疫活性、抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー

当帰(トウキ) セリ科トウキ属の植物の根
血液を補充し、血行を良くする

柴胡(サイコ) セリ科ミシマサイコの根
解熱、解毒、鎮痛、鎮静、抗炎症作用、抗菌作用

陳皮(チンピ) ミカン科ミカンその他柑橘類の成熟果皮
胃腸の働きを良くする、食欲増進

大棗(タイソウ) クロウメモドキ科ナツメの果実
脾臓と胃を丈夫にする、鎮痛、他の生薬の衝突を和らげる、体を温める、腹痛の緩和

生姜(ショウキョウ) ショウガの根茎
胃腸を温める、嘔吐を鎮める、抗炎症作用

甘草(カンゾウ) マメ科カンゾウ属などの根や根茎
鎮痛、解毒、咳止め、抗炎症作用、健胃消化

升麻(ショウマ) サラシナショウマまたはその同族植物の根茎
鎮痛、鎮静、抗炎症作用、発汗、解熱、解毒


相乗効果のあるもの

人参+黄耆 気力と体力を補う、免疫力を高める、体内水分の調整

柴胡+升麻 気を高めて元気にさせる、胃腸を上げて健全な状態へ回復させる


使用上の注意

  • 甘草が含まれているので、むくんだり血圧が上がってくる事があります。
  • 妊婦または妊娠していると思われる方は服用前に医師に相談して下さい。
  • 薬のしようにあたり、医師と薬剤師からの説明や、薬に添付されている説明書を読み、理解した上で服用して下さい。
  • 他の薬との併用、アレルギー、症状や体質に合わないなどで、体に不快な変化があらわれた場合は、ただちに服用を止め、医師や専門家に相談して下さい。
  • 長期にわたり服用する際は、医師、薬剤師、登録販売者に相談して下さい。

補中益気湯の副作用

  • 芍薬甘草湯などの甘草を含む漢方薬を飲む時は注意が必要です。
  • 偽アルドステロン症を発症する場合があります。
  • 皮疹 皮膚のかゆみ、発疹、発赤
  • 消化器 吐き気、腹痛、胃部不快感、下痢

下記の症状が出た場合はただちに医師の診察を受けて下さい。

  • 偽アルドステロン症…筋肉痛、血圧上昇、低カリウム症、倦怠感、手足のこわばり、
  • 肝機能障害…黄疸
  • 間質性肺炎…発熱、せき、呼吸困難、肺音の異常






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