2014年8月18日月曜日

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

すぐに頭に血がのぼってイライラする、夜は不安で眠れない


つらい更年期障害


更年期の症状というと頭に思い浮かぶのは、怒りっぽくていつもイライラしている女性の姿です。症状の原因はホルモンバランスの乱れなので、感情を自分でコントロールするのは難しいものです。

けがや病気の場合、症状は痛みとなって表れますが、ホルモンバランスや自律神経の症状はそれが感情として表れるのかもしれません。

更年期障害はさまざまな症状を引き起こします。それは個人ごとに異なり、動悸、耳鳴り、めまい、怒りっぽくなるといったことから、ひどく落ち込む、不安で眠れない、家事などが億劫になる、人と会うのを避けるなどの日常生活や人間関係に影響をおよぼす症状もあります。

また、こうした症状のせいで、さらに自分自身への反省や嫌悪という感情が出てきて落ち込む、という負のスパイラルに陥り、やがてうつ病を発症してしまうこともあります。

更年期障害は見た目では分からないため、身近なものとして考えられない方もいると思いますが、こうした症状に苦しんでいる人は意外と多くいるのです。

最近では若年性更年期障害といって、20代~30代の若い女性に症状が出るものや、LOH症候群(ロー症候群)という男性更年期障害といったケースもあります。

柴胡加竜骨牡蛎湯は、気分の浮き沈みを抑えて、気持ちを穏やかにしてくれる漢方薬です。



柴胡加竜骨牡蛎湯が向いている人


不安で眠れない
だるい、疲れやすい
頭に血がのぼりやすく、怒りっぽい
些細な事でイライラする
すぐに落ち込む
気分の浮き沈みが激しい


精神的に不安定で、体力がある人向きの漢方薬です。(実証)




柴胡加竜骨牡蛎湯はこうした症状の場合に用いられます。


不眠、動悸、のぼせ、めまい、疲れやすい、倦怠感、うつ病、神経症、不定愁訴、更年期障害、高血圧、動脈硬化、ヒステリー、てんかん、小児夜泣き、便秘



胡加竜骨牡蛎湯の効能


この漢方薬は乱れている気を落ち着かせて、心身ともにリラックスさせます。




柴胡加竜骨牡蛎湯の成分と成分別の作用


・柴胡(サイコ) セリ科ミシマサイコの根 
解熱、解毒、鎮痛、鎮静、抗炎症作用、抗菌作用

•半夏(ハンゲ) サトイモ科カラスビシャクの根茎
嘔吐を鎮める、吐き気を抑える、鎮静、鎮痰、胃腸を強くする、眼圧低下作用

茯苓(ブクリョウ) サルノコシカケ科マツホド菌の菌核 
利尿、鎮痛、鎮静、血糖降下

桂皮(ケイヒ)桂枝(ケイシ) クスノキ科トンキンニッケイ等の樹皮、枝の中身
 発汗、血行を良くする、解熱、鎮痛、のぼせの緩和、枝より皮の方が作用は強い

黄芩(オウゴン)シソ科コガネバナの根
抗炎症作用、抗アレルギー、下痢や嘔吐を鎮める、止血、肝機能の活性化、フラボノイドを含む

・大棗(タイソウ)クロウメモドキ科ナツメの果実 
脾臓と胃を丈夫にする、鎮痛、他の生薬の衝突を和らげる、体を温める、腹痛の緩和

・人参(ニンジン)ウコギ科オタネニンジンの根 
滋養強壮(主に消化器官)、抗炎症作用、肝機能改善作用、代謝を高める、免疫活性

牡蛎(ボレイ)イタボガキ科のカキの左殻
鎮静、解熱、制酸、利尿、止渇、止汗、瀉下作用

生姜(ショウキョウ)
ショウガの根茎 胃腸を温める、嘔吐を鎮める、抗炎症作用、

・大黄(ダイオウ)タデ科ダイオウ属などの根茎
瀉下薬(下剤)、解毒、止血、抗菌作用、緩下作用

竜骨(リュウコツ)哺乳類の骨の化石
鎮静、収斂、止血、去痰、作用



使用上の注意


  • 妊婦または妊娠していると思われる方は服用前に医師に相談して下さい。
  • 薬の使用にあたり、医師と薬剤師からの説明や、薬に添付されている説明書を読み、理解した上で服用してください。
  • 他の薬との併用、アレルギー、症状や体質に合わないなどで、体に不快な変化があらわれた場合は、ただちに服用を止め、医師や専門家に相談して下さい。
  • 長期にわたり服用する際は、医師、薬剤師、登録販売者に相談して下さい。



柴胡加竜骨牡蛎湯の副作用


  • 皮疹(皮膚のかゆみ、発疹、発赤)
  • 消化器 (吐き気、腹痛、胃部不快感、下痢)


※下記の症状が出た場合はただちに医師の診察を受けて下さい。

  • 肝機能障害…黄疸、倦怠感
  • 間質性肺炎…発熱、せき、呼吸困難、肺音の異常


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