2014年8月10日日曜日

加味帰脾湯(カミキヒトウ)


眠れない、夜中に目が覚める、寝ても疲れが取れない


いろいろ考えているうちに、眠れなくなってしまった。
眠りが浅くて、頭がすっきりしない。

気持ちが落ち着かないと、心身だけではなく眠りにも影響してきます。
漢方医学では気を鎮めるのには血が必要だと考えられています。

血は気の栄養分でもあり、血が不足すると気を鎮める為の充分なエネルギーが得られません。
その結果、睡眠障害などの症状があらわれてしまうのです。

加味帰脾湯は不足している血を補って体内に巡らせ、不眠や貧血、
緊張や不安を改善する漢方薬です。



加味帰脾湯が向いている人


虚弱体質
貧血気味
不安を感じる
上半身が凝っていたり、のぼせたりする
胃腸が弱っている
イライラしやすい
冷え症



貧血気味で胃腸虚弱、心身ともに疲れやすい体力中程度以下向きの漢方薬です。




加味帰脾湯はこうした症状の場合に用いられます。


不眠、寝つきが悪い、眠りが浅い、貧血、食欲不振、倦怠感、動悸、
発熱、物忘れ、うつ病、精神不安、生理不順、不眠症、神経症、精神不安



加味帰脾湯の効能


不足している血を補って、体内に巡らせて心身を安定した状態に導き、
イライラや不安感を鎮めます。

エネルギーを補って体力を増強させ、胃腸を丈夫にします。



加味帰脾湯の成分と成分別の作用


人参(ニンジン)ウコギ科オタネニンジンの根 
滋養強壮(主に消化器官)、抗炎症作用、肝機能改善作用、代謝を高める、免疫活性

蒼朮(ソウジュツ)キク科ホソバオケラの根茎 又は白朮(ビャクジュツ) 
水分代謝を正常に保ち、不要な水分を排出

茯苓(ブクリョウ) サルノコシカケ科マツホド菌の菌核 
利尿、鎮痛、鎮静、血糖降下

甘草(カンゾウ)マメ科カンゾウ属などの根や根茎
 鎮痛、解毒、咳止め、抗炎症作用、健胃消化

生姜(ショウキョウ)
ショウガの根茎 胃腸を温める、嘔吐を鎮める、抗炎症作用

大棗(タイソウ)クロウメモドキ科ナツメの果実 
脾臓と胃を丈夫にする、鎮痛、他の生薬の衝突を和らげる、体を温める、腹痛の緩和

酸棗仁(サンソウニン)クロウメモドキ科サネブトナツメの種子
催眠、鎮静、鎮痛、口渇、制汗作用、精神安定作用、強壮

竜眼肉(リュウガンニク)ムクロジ科リュウガンの仮種皮
健胃、鎮静、滋養強壮、健忘症の改善

遠志(オンジ)ヒトハギ科イトヒメハギの根や根皮
去痰、鎮静、強壮、健忘症の改善、精神安定作用

当帰(トウキ) セリ科トウキ属の植物の根 
血液を補充し、血流を良くする

黄耆(オウギ)マメ科キバナオウギまたは同属植物の根を乾燥したもの
滋養強壮(主に体表)、免疫活性、抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー

木香(モッコウ)キク科モッコウの根
胃を丈夫にする、整腸、抗菌、利尿

柴胡(サイコ) セリ科ミシマサイコの根 
解熱、解毒、鎮痛、鎮静、抗炎症作用、抗菌作用

山梔子(サンシシ) クチナシの果実 
解熱、止血、鎮静、黄疸を取り除く、血流の改善


相乗効果のあるもの

人参+黄耆 気力と体力を補う。免疫力を高める。体内水分の調整



使用上の注意



  • 甘草が含まれているので、むくんだり血圧が上がってくる事があります。
  • 妊婦または妊娠していると思われる方は服用前に医師に相談して下さい。
  • 薬の使用にあたり、医師と薬剤師からの説明や、薬に添付されている説明書を読み、理解した上で服用してください。
  • 他の薬との併用、アレルギー、症状や体質に合わないなどで、体に不快な変化があらわれた場合は、ただちに服用を止め、医師や専門家に相談して下さい。
  • 長期にわたり服用する際は、医師、薬剤師、登録販売者に相談して下さい。




加味帰脾湯の副作用


  • 消化器 (吐き気、腹痛、胃部不快感、下痢)
  • 皮疹(皮膚のかゆみ、発疹、発赤)
  • 芍薬甘草湯などの甘草を含む漢方を飲む時は注意が必要です。偽アルドステロン症を発症する場合があります。


※下記の症状が出た場合はただちに医師の診察を受けて下さい。

偽アルドステロン症…筋肉痛、血圧上昇、低カリウム症、倦怠感、手足のこわばり


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